第一部 初恋 読みました。

まだ感想書くには早すぎるのだけれど、
突っ込みどころが多すぎるので、とりあえず一旦軽く感想を。。。

まずね、文章が足りないわぁ、コレ。
自分の妄想と空想を屈指して、行間を埋めないとあかん。
完璧、ドラマを見た人専用って気がするなぁ。
こんないいかげんな描き方で、情景を思い描けってのはムリな話。

例えばさ、陽一のスケッチを破いたってシーンあるじゃん。
ま、読めばきちんと破いたって書いてはあったのだが、
「破ったりして申し訳ありません」みたいな台詞があって、
あ?破ったっけ? ってページを戻る程度に
あっさり描かれていたように思う。
なんだろ、もっとあるじゃん、感情の流れっていうの?
紙で指が傷ついたのも気付かないくらい…とか、
その血がスケッチブックに美保の楽しかった思い出の象徴を
表わしてるかのように小さく跡を残した…とか、
そういう描き方が欲しい!

凛子の赤いハイヒールとかね、
映像で見たらその紅い色が大そう怪しい雰囲気だったと思うんだ。
嫉妬に狂う、狂気に満ちた女の感情の象徴としてね、
さぞ、怪しげだったと思うんだ。
でも、文章で、描かれ方足りなさ過ぎる。
なら、ここでいっそのこと赤いハイヒールのことは
削除してもよかったんじゃないかと思うのよ。
こう、だらだら、ドラマの流れをそのまま書くんじゃなくて、
重要な要所をポイントをついて描いたほうが、よかったんじゃね?

まぁ、いいや。こういうの挙げてたらキリがないからな。

自分的には凛子に感情移入しやすいです。
どうしても、主人公は好きになれないのよね、何を読んでも。

ってか、洋一よ!アンタに問題大アリだよ。
大体、自分が裕福にぬくぬくと育っておいて、
そのぬるま湯に長々と浸かっている状態で、
親の仕事をいくら否定しても、それは、説得力ねぇよ。
そもそも、その親の仕事、そんな悪いコトですかね?
源一が言うように、需要があってその仕事成り立ってると思うんですよ。
男の需要もあるけれど、働きたいそこでしか働けないっていう女の需要もあるだろう。
そういう事情も考えず、綺麗事だけ言う洋一が、甘くてムカツク。

最初に、盗みを働こうとして源一に怒られてた女を庇ったじゃん?
でも、明らかに悪いのは、その女だろ?違う?
盗みを正当化できるコトなんてありえへんやろ?
いや、不当な金を盗んだっていいだろうって気持ちになるのは分かる。
汚れた金なら、盗んだっていいだろうってちょっとは思う。
でも、常識で考えてみ?
女はソレを仕事としてやってるんだ。
それを、出来心とか仕送りで大変だからとか、
そんな理由で許されてしまうなら、世の中、警察入りませんよ。
普通に会社でソレやったら横領ですよ、もう首ですよ。
次の働き口なんてありませんよ。
のたれ死ぬ方向ですよ。故郷の親ごと死ぬ方向ですよ。
それを、とりあえず雇い続けてくれる源一は寛大だ。

あと、二人で出よう って言うだけなら簡単なワケよ。
でも、逃げるって方向にしか考えがいかない洋一がまたムカツク。
逃げてどうなるのさ。
結局、ずるずるとぬるま湯に浸かってるような坊ちゃんが、
一緒にココを出て、その先に何があるのさ。
考えナシにそういうコトいう頭の悪い男は嫌い。
そもそも、一緒にって言うのは、
どうも、相手に頼る部分もあるような女々しい印象がある。

それこそ、何の力もないくせによう言うわ。って思う。
ま、美保のソレは心を偽っての台詞ですけどね。
きちんと出て、行くところを用意して、
そこでの、2人生活や働くところ、そいうの絶対考えてないよね、こいつ。

そいで、後々に結局逃げるじゃん、2人で。
逃げた先がその別荘ってどうよ?
親の掌の上じゃないですか?バカか、こいつ。
そういう親のしがらみとかそういうの捨てて、
何もかも捨てて、何も無いトコロへ旅立つべきだろう!!

あ、あとさ、責任って言葉をそんなに軽々しく言って欲しくない。
そんな軽いもんじゃないよ、責任って。
漢が背負う責任って、簡単に言っていいもんじゃない。
そして、言ったからにはその言葉に忠実でなくてはならない。
凛子に責任は取るって言ったじゃない!
僕と一緒に生きてくれって言ったじゃない!

それが、どうだ?
美保の腹に子供がいると分かった途端、責任があるから美保と一緒になるだって?
どんだけ、バカだ?こいつ。
確かに凛子との間に子供が出来なかったから、
子供がいるほうに責任を感じるのかもしれないが、
こんだけ、責任ってものを重んじていない男がいるなんてびっくりだ。

あと、凛子のやり口が甘い。
縄で縛られた暗い部屋で洋一を見下ろしておいて、
そのまま終わるなんて、こんなおいしいシチュを逃すなんて、
もったいない!!
だいたい、縄がゆるむなんて縛り方も甘いんだわ。
ここはね、身動きがとれない洋一をやってしまうシーンだろ。

さらに、酔った洋一と寝るシーンもさ、
酒に酔ったんじゃなくて、睡眠薬…じゃダメか、
媚薬とか、そのあたりのクスリを飲まして、
洋一を喰っちゃったくらいの悪者になってもらわないと、困る。

それくらいのコトしてればさ、洋一に責任を問わないよ、私も。
でも、凛子が被害者としか思えないくらいに、
卑劣な手口を使ってないだけに、責任とらない洋一が許せない。

好きなシーンといえば、ハサミですね。
ハサミを喉に当てて、そこから鮮やかな血が伝うってのはいいです。
でも、その狂気の沙汰が伝わらないんだよねぇ。
妄想で補充しますけど。
気が狂った人の描き方がつくづく不十分。
吉村達也の文章を見習った方がいい。
まぁ、アレはホラーだけどね。

あと、澄江の刃傷沙汰が、最大級にヒットです。
ぴくりとも動かない漢に寄り添い、涙を流す女ってのは、いい。
でも、ここもあっさり描かれすぎ。
もっと、血なまぐさい演出希望。
ドラマだと、どうだったんだろ?

いや、感想長すぎだな、何が言いたいのか分からないね、コレじゃ。
とりあえず、一部は凛子がいい。
想いを諦める代わりに相手に生きていて欲しいと懇願するのが好きだった。

あと、幸せを掴もうとすれば出来るのに、
卑屈な根性で、何でもかんでも人の為とか言いつつ
人のせいにして、周りまでがっぽり巻き込んで
不幸になりたがる主人公も好みではあります。

好きよ、こういう自虐的な人って。
自ら堕ちる人って。

でも、自らの命も縮めてしまうくらい、
心臓が、身体が生きることを拒否するくらい堕ちて、
日に日に痩せていくっていうのが1番好きなんだが…。

あぁ、ダメだわ、突っ込みどころ多すぎて、突っ込みきれない…。

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