夜、呼び出しくらいました。
「最近、ストレスだったんだ。…レースにいろんな奴が来るのが」
あぁ、そう。私もかん?ストレスか?
いや、それ、私に言っちゃぁ、駄目だろぅ。
「プレスもそうだが、ファンっていうのが苦手だ」
あぁ、そう…
ファンって、苦手ですか…。
「一部のマスコミは、単なるビジュアル目的だ。
俺はそんなので売られたくない。」
「ただ…、昔モデルのバイトもしてたから」
あぁ、やっぱ、葉月だ(笑)。
モデルのバイトってのは、似合うなぁ。
だって、綺麗だもんよ。
でも、見た目で売られたくないとか言いつつ、モデルかよっ!
「モデルも好きでやってた訳じゃない。
他のバイトがどれも嫌だっただけだ」
あ、それ聞いて、納得。他の普通の仕事が成り立たなそうだ。
「見た目だけで判断されたり、評価されるのはうんざりなんだ」

あ、なんか、ちょっとイライラしてきた。
なんだろ、航河、自分の見た目でいろんなコトあったかも知れんが、
それに対して、後ろ向きだわ、ちょっと。
人間、見た目じゃないが、そんな中身だけってワケでもない。
航河は、その綺麗な見た目も含めて、航河なんだからさ。
その評価も、少しは受け入れるべきだよ。

「こうしてプロのドライバーになったからには、外見は関係ない。
なのに何時までたっても縛られる」
「誰でも、何かに縛られて生きてる。…それは分かる。
でも、時には全てから開放されたくなるんだ」

だから、違うっつーの!全て捨てるコトなんて出来ないんだしさ。
外見を気にしてる航河が、自分で自分を縛ってるんだよ。
っと、思ったら、「私」も、いいコト言うわ。
そういう、自分を縛ってる嫌な部分も、自分を立たせてくれたり、
支えたり、活かしてくれてりする事もあるって。
大事な何かに向かって突き動かす原動力になる事もあるって。

そうなの、そういうコトを言いたかった。
短所は長所にもなるわけよ。

次の日、メール。
『今朝はちゃんと起きられたか?遅刻しないで行けよ』
なんだ、この優しさに満ちたメールは!
幸せだなぁ、「私」

しかし、岩戸がうぜぇ!加賀見よりマシだが。
ハーブなんかに興味ないっつーの!

「おい、日吉」「もう帰るだろう。送ってやる」
あ、名前呼ばれたの初めてかも。。。
岩戸と話していたのだが、それに対してはあまり反応ないみたい。。。ほっ。
「ちょっと合宿所に寄っていくか」
「この前、お前が取材に来たとき、部屋を見せてやらなかっただろ。
時間があるなら、見せてもいい」
へぇ〜。そんな昔に取材したこと、よく覚えていたもんだ。
ってか、見せたいんだろ?部屋に連れ込みたいんだろ?
素直じゃねーな(笑)。
「…それに今日は、加賀見さん達は帰りに食事してくるらしいからな」
え?
なに、その、「うちの親、いま出かけていて誰もいなんだ」 的な展開は。
なにが、食事してくるらしいだ。
食事してきて、合宿所にすぐ来ないのわかってるから、誘ってるんだろ!

部屋は、綺麗に片付いてました。
「あまり、散らかってるのが好きじゃない。
取材のネタにもならない部屋だ」
いいんだよ、取材のネタにならなくても、妄想のネタになれば。
文庫本がたくさんあるのだが、小説は読まないで、詩を読むらしい。
ほら、気が合わねぇ(笑)。

遅くなる前に送ってもらえることになりました。ちょっと期待はずれだなぁ。

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